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(1)プ ロ ロ ー グ 100周年記念講演
この日、六行会(りっこうかい)ホールで、品川図書館100周年秋の講演会が行われた。
講演のテーマは、町工場から見た品川の百年。講師として登壇したのはノンフィクション作家の星野博美さん。
*品川区立品川図書館 吉田義信館長「星野博美さんは品川区の戸越銀座で生まれ育ち 戸越銀座や五反田付近を扱った著書を出版している。令和4年度に著書『世界は五反田から始まった』が 第49回大佛次郎賞を受賞したこともあり講演を依頼した」
品川図書館は令和5年(2023)6月に創設100年目を迎えた。
品川図書館の前身は大正12年(1923)創設の荏川町文庫。(えがわまちぶんこ)民間が
経営する図書館であった。
*(一財)六行会 理事長 村林慶一さん「品川町(当時)の教育および文化向上を目的として図書室を作ったのが荏川町文庫の始まり」
*品川図書館 吉田義信館長「昭和7年(1932)に六行会から東京市が寄付を受け、 昭和25年(1950)に品川区立図書館となった。100年間 地域とともに歩んできた。100周年を迎えることができたのは多くの皆さんのおかげと深く感謝している」
*タイトル:しながわのチカラ 副題『荏川町文庫から品川図書館へ~受け継がれる100年の思い~』
Na.荏川町文庫から100年目を迎えた品川図書館の今に迫る。
(2)品川図書館のルーツ 六行会
北品川にある品川図書館。全部で11館ある品川区立図書館の中央館に位置する。
建物の名前は六行会総合ビル。図書館との関係はなんであろうか。
六行会の理事長にお伺いした。
*(一財)六行会 理事長 村林慶一さん「幕末のころ、地元住民が飢きんなどの対策として積み立てを始めた。住民の互助組合的な役割を果たしてきた。積み立てを開始したことが六行会創設につながる」
品川図書館のある地域は、かつて宿場町の南品川宿であった。
弘化(こうか)2年(1845)地元の人たちが凶作や災害などに備え積立金「宿相続」
(しゅくそうぞく)を始めた。この組織がのちの六行会となる。
安政2年(1855)積立金で佐土原藩(さどわらはん)島津家の抱屋敷(かかえやしき)があった土地を購入。貸家を建てたことで町ができ、万延(まんえん)2年(1861)荏川町(えがわまち)と名付けられた。
総合ビルの裏側にある稼穡稲荷社(かしょくいなりしゃ)。島津家の抱屋敷だったころから、ここに鎮座している。
大正12年(1923)組織の名を六行会と決め、住民の集会所として、荏川町倶楽部を作った。
そのなかに当時、東京府下の町村で、はじめての図書館・荏川町文庫を併設。
*(一財)六行会 理事長 村林慶一さん「私の曽祖父の村林彦之が品川町(当時)の文化がさびれてはいけない。教育および文化向上を目的として図書室を作ったのが荏川町文庫の始まり。
六行会は宿相続からつづく積立金を活用して、教育制度に力を注いでいくことを目的としている」
昭和3年(1928) 荏川町倶楽部と同じ建物内にあった。荏川町文庫を六行会経営品川
図書館として独立させた。
六行会は昭和7年(1932)図書館を東京市に寄付。その後、図書館は東京都立を経て、
昭和25年(1950)管理が品川区に移り、品川区立図書館となった。
名称が品川図書館になったのは昭和45年(1970)からである。
平成6年(1994)六行会設立150年を機に、品川区と協力して総合ビルを建設。
品川図書館と六行会ホール、集会施設・荏川倶楽部を作った。
地域の文化・教育の発信点として貢献したいという六行会の願いが込められている。
(3)品川図書館
総合ビルの1階から4階までが品川図書館。
図書館のスタッフに、2階を案内していただいた。
(株)図書館流通センター 品川図書館スタッフ 木原 春菜さん
「こちらは児童コーナー。品川区は昭和25年(1950)当時の大井原町に児童図書館を開設。開設以降、児童の読書推進のために活動を続けている」
おはなしのへやでは、おはなし会が開催される。
品川図書館 鳥之海 李帆 主事
「子どもに絵本を楽しんでもらうことで、子どもと本をつなぐことを目的にしている。参加者によって反応が違うので、その場にあった対応が必要になるところが難しい」
毎月23日のしながわ親子読書の日にあわせて、『ねえ、このほんよんで!』を発行。
読み聞かせにおすすめの絵本を紹介している。
品川図書館 三城ひかる 主事
「品川区立図書館などに たくさん所蔵があって、定評の高い本を選ぶようにしている。作品の世界観や、あらすじをわかりやすく紹介できる文章を心掛けている」
品川図書館 三城ひかる 主事
「『はじめてのえほん よんで よんで』事業で配布している袋。4カ月児検診の際に品川区の各保健センターで引換券を配布。区立図書館で引換券を渡すと5冊のうち好きな本1冊を袋とともに贈呈」
(株)図書館流通センター 品川図書館スタッフ 木原 春菜さん
「こちらの視聴覚資料コーナーでは、バリエーション豊富なCDやDVDをそろえている。人気のコーナーで品川図書館の特色」
続いて3階を案内していただいた。
(株)図書館流通センター 品川図書館スタッフ 木原 春菜さん
「こちらは地域資料と参考図書のコーナー。今では手に入らないものなど大変貴重な資料を所蔵している。
こちらの品川区史などは、しながわデジタルアーカイブで閲覧可能。
しながわデジタルアーカイブでは劣化が進んでしまう貴重な地域資料などをデジタル保存、調査研究に役立ててもらっている」
しながわデジタルアーカイブは自宅のパソコンからだけではなく、
パソコンコーナーでもアクセスできる。
(株)図書館流通センター 品川図書館スタッフ 木原 春菜さん
「こちらは主に専門書、外国語資料コーナー、平和資料コーナーがあり、多くの資料を所蔵している」
こちらは4階の視聴覚ホール。
この日は音訳(おんやく)ボランティア養成講習会が開催された。
講師 黒澤明子さん「視覚障害者の方や読み書き障害の方など読むことが困難な方のために本の内容を伝える。表紙からグラフや図も説明しなくてはいけない。誤読はいけないので調べることが大切になる。さらに構成も音訳ボランティアがする。いろいろな難しいことがある」
障害者サービス室では音訳図書のほかに、さわる絵本など点訳図書も扱っている。
事務室の奥には、本の修復作業をするスタッフの姿があった。
こちらは集密書庫。品川図書館で扱う資料は、その数45万以上。
(4)エピローグ
区立図書館では、誰でも利用カードを作ることができる。
小学1年生以下の子どもが利用カードを作ると、手提げカバンをプレゼント。
*品川図書館 吉田義信館長「図書館利用者の要望も多様化している。皆さんの生涯学習を支える場として、乳幼児から学生や大人までの幅広い世代に向けたサービスを行い、その役割をしっかり果たしていきたい」
地域とともに歩み100年目を迎えた品川図書館。
幅広い世代の期待を担い、これからも歩み続けていくことであろう。
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