アイコン

カンテレNEWS

チャンネル登録者数 69万人

23万 回視聴 ・ 798いいね ・ 2025/04/22

「いやや、いやや」と声を上げる5歳のすみれちゃん。気管に挿入されたチューブの交換に、小さな体を懸命に耐えている。

奈良市に住むすみれちゃんは、「頸部リンパ管腫」という難病を患っている。日常的に痰の吸引が必要な「医療的ケア児」だ。両親は、地域の友達と一緒に成長してほしいという思いから、保育園への通園を強く希望した。

しかし、最初の壁は高かった。

「気管切開していると保育園には今の奈良市の体制では入れられない」

市の担当者からの言葉に、両親は落胆した。しかし、あきらめなかった。

法律の後押しと新たな一歩

4年前、医療的ケア児を支援する法律が施行された。これを機に、すみれちゃんの保育園通園への道が開かれた。

準備は入念に行われた。園長先生たちは病院を訪れ、医師から細かな指示を受けた。

「激しい遊びはあかんってどれくらい?」

「ニュアンスとしては息切れして...」

こうしたやりとりを重ね、ついにすみれちゃんの保育園生活が始まった。

成長と新たな課題

保育園での生活は、すみれちゃんに大きな変化をもたらした。

「1年前は入園できるってなってうれしい反面、やっぱ不安の方が大きくて」と母のもえさんは振り返る。しかし、園での様子を見て安心したという。

「合間合間に吸引してもらったり水分補給してもらったり、他の子よりもひと手間かかるけど、でもそのひと手間かけてもらうことでみんなと一緒の時間を過ごせた」

すみれちゃんの成長は目覚ましい。言葉で自分の思いを伝えようとする姿も見られるようになった。

「水筒もっていくときに、ずっと一緒のことをいわれるのいややった!」

「でもすーが水筒忘れたからもってきてくれたんやで。それはありがとういった?」

こうしたやりとりを通じ、すみれちゃんは社会性を身につけていっている。

すみれちゃんの挑戦は、地域社会にも大きな影響を与えている。もえさんは、同じ境遇で悩む人たちの力になりたいと、医療的ケア児などの親が集まる居場所作りを始めた。

また、すべての医療的ケア児が希望通りに進学できていない現状を知り、市に要望書を提出するなど、積極的な活動を展開している。

「ほかの子と同じように選ぶ権利を確保していただきたい」

すみれちゃんの挑戦は、医療的ケア児とその家族だけでなく、地域社会全体に新たな可能性を示している。誰もが当たり前に学び、成長できる社会の実現に向けて、一歩一歩前進を続けている。

✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

カンテレ「newsランナー」2025年3月18日放送

※著作権の都合上、地上波放送とは一部内容が異なる場合があります。

✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

〈カンテレ報道への情報提供・取材依頼〉
https://ktv.dga.jp/runner/12942

〈newsランナー〉月〜金・夕方4時45分から放送
https://www.ktv.jp/runner

〈ザ・ドキュメント〉過去のドキュメンタリーを全編配信中!
   • ◆「ザ・ドキュメント」全編配信中!  

〈カンテレドーガ〉名作ドラマやバラエティー
https://ktv-smart.jp

コメント

コメントを取得中...

再生方法の変更

動画のデフォルトの再生方法を設定できます。埋め込みで見れるなら埋め込みで見た方が良いですよ。

現在の再生方法: education