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ABA青森朝日放送ニュース

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321 回視聴 ・ 6いいね ・ 2025/01/31

患者の移動の負担を軽減するための「オンライン診療」は、青森県内ではまだ普及が進んでいません。その課題を解決する新たな取り組みが中泊町で始まりました。

【中井友紀アナウンサー】
「こちらは青森中央インターです。今から青森市を出発して、中泊町へ向かいます」

走行したのは、ナビが推奨する最も早く到着するルート。東北自動車道と津軽道を通過し、中泊町に向かいました。

【中井友紀アナウンサー】
「中泊町の看板が見えてきました、青森市内からここまでかかった時間はおよそ50分」

片道50分。往復した場合の移動時間は1時間半以上かかることになります。

【小松整形外科スポーツクリニック 小松尚院長】
「うちの病院は遠方から来る患者さんが多いので、遠いところから来られるのは大変だなと思って」

そう話すのは、青森市の小松整形外科スポーツクリニックの小松尚院長です。クリニックでは、肩や膝の関節の手術を行っていて青森県内全域から患者が訪れます。

術後の診療で、遠方から通院する患者の負担を減らそうと、1月29日から新たな取り組みを始めました。

【中泊町 濱舘豊光町長】
「通院がなかなか難しい方々が、こちらを使って“インターネット診療”を受けられるような形になっていけば、未来の中泊町にとって、あるべき姿に、望ましい姿になっていくのではないか」

中泊町総合福祉健康センター「湯らぱーく」内で、デイサービスを行う「ワイズ・パーク青森中泊店」。

相談室を活用し行われたのが「青森県内初の新たなオンライン診療」です。

【小松整形外科スポーツクリニック 小松尚院長】
「オンライン診療というのは早期から導入を図っていたんですが、患者さんはなかなかオンライン診療に乗ってくれないんですよね」

その理由は…。

【小松整形外科スポーツクリニック 小松尚院長】
「まずスマートフォンを持っていない患者さんも多くて、あとはスマートフォンを持っていても、やはり操作が難しくて私にはできないという患者さんが多かったので」

その壁を乗り越えるため、デイサービス事業を行うワイズ・パークと連携。

「スタッフが通信機器のセッティングや操作をサポート」する、新しい形での「オンライン診療」を実現させました。

【小松整形外科スポーツクリニック 小松尚院長】
「やっぱりプライバシーの問題というのが、オンライン診療にはつきまといますので」

もともとオンライン診療は、医師と患者が1対1で行うことが基本。そのため通信機器の操作を患者本人が行わなければいけませんでした。

今回は青森県の協力を得て「オンライン診療の利便性を高めることを優先」し、この取り組みが実現しました。

オンライン診療を終えた患者、2024年に膝を手術。青森市側から見るとさらに奥にある小泊地区から通っていたため、移動の負担が大きく減りました。

【オンライン診療を受けた患者】
「大変良いと思うわ(笑)」
「先生とすぐお話できるしさ、向こう(青森市まで)行くと時間待たなきゃいけないしさ」
「中泊で買い物しながらさ、ちょうど良いみたい(笑)」

別の患者は…。

【オンライン診療を受けた患者】
「評判の良い先生なので向こう(青森市に)に行こうと、娘に連れて行かれたの」
「先生のところで手術して、順調に、今は海にも山にも遊びに歩いてる(笑)」
(Q.負担減りますか)「減ります、減ります。30分で自分で来られる距離だから」

「小松整形外科スポーツクリニック」と「ワイズ・パーク青森中泊店」が連携したオンライン診療は、今後も毎週水曜日の午後に行われます。対象は再来患者のみとなります。

【小松整形外科スポーツクリニック 小松尚院長】
「中泊町は、漁業と農業が盛んな町だと考えています」
「どうしても力仕事をするので、肩を痛めるし、膝が変形してしまう変形性関節症の患者さんが多い」

小松整形外科スポーツクリニックを利用した患者数のデータを見てみると、中泊町の患者数は遠方に位置する市町村としては高い水準となっています。

【小松整形外科スポーツクリニック 小松尚院長】
「やっぱり青森県は地方ですけど、地方だからといって医療のレベルが下がっちゃいけないし、非常に不便であったらいけない」

「通信機器などの操作をサポートをする形でのオンライン診療」は、県に相談し認められた場合に実施することができます。県内の医療水準を維持するための重要な選択肢となるかもしれません。

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